TEN KUH Lounge 秘話「ウッドショックが教えてくれたサスティナブルな空間造り」

TEN KUH Lounge 秘話「ウッドショックが教えてくれたサスティナブルな空間造り」

廃棄される材木で造るラグジュアリー空間

2021年6月、かねてより考えていた屋上スペースの改修をすることにしました。
テニスコート1面分ほどの広い屋上は展望スペースとして一般開放していましたが、カフェよりも高い位置にあるこの屋上からの景色を、もっとゆっくり楽しむことができないか、せっかく遠方からもお越しいただくお客さまに、もっとラグジュアリーなスペースを提供できないかと常々考えていました。

色んなプランを練り、イメージづくりをし、図面もまとまりました。

ところがいざ工事を始めようとしたところ、日本中の木材が無くなっている「ウッドショック」という話しを聞きました。材木屋さんへも何件か電話をしたところ、みな口をそろえて、いつ材木が入るか分からないという返答でした。前途多難なスタートとなってしまいました。


ある日、いつもお願いしている大工さんから、古い材木屋さんから使わない材木を分けてもらえるかもしれないと言う情報が入りました。

さっそくその材木屋さんに連絡をとり相談に行きました。

今ではほとんど商売をしていない材木屋さんには、古くて売れなくなった材木が山積みになっていました。交渉をして、必要な材木を安く売ってもらい、廃棄する予定のものは引き取りをすることになりました。

大工さんが古びた材木の表面を削ると、材木は新品同様に生き返りました。
実はこの材木は良い質のものが多く新品であればかなり高いものなのだそうです。

表面を削ると実はとても良い材木だったことが分かりました。

日本中のどこにも材木が無くなってしまった時に、私たちは廃棄される運命の材木を引き取り、工事が始まりました。

何十年もかけて育った樹木が山から切り出され、何年も放置されていた材木。そのまま廃棄し燃やされてしまうと、この材料に使われてきたエネルギーが全て無駄になってしまいます。
それを利用することは、蓄積されていたエネルギーを活かすことにつながります。


一見古びて使えなさそうなものでも、しっかりと手を入れて再生させれば新品同様になります。
ウッドショックのお陰で、まだ使うことができるのに廃棄さてしまうものにも目を向け、資源を再生利用した空間造りがスタートしました。


私たちが作ったTEN KUH Loungeは、本当の意味でのサスティナブルな空間です。

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